物質の構造と機能の解明
KEK中性子科学研究施設(KENS)では、大強度陽子加速器施設J-PARCの物質・生命科学実験施設(MLF)でつくられるパルス状の中性子を物質に照射し、散乱される中性子を分析することによって、物質の原子配列や磁気構造、さらにそれらの運動を研究しています。生体を構成している物質や高分子化合物の構造の解明、磁性体や高温超伝導体の本質を調べる研究、持続可能社会の構築に貢献するリチウム電池や燃料電池などの新材料開発など、幅広い研究が行われています。
大強度陽子加速器研究施設(J-PARC)の物質・生命科学実験施設(MLF)の内部。中央左の紺色の中性子源エリアから放射状に出てくる中性子を実験装置まで誘導するためのビームラインが伸びている。
これらの研究は、物質がその多様な性質を発現するしくみを解明するだけでなく、新しい物質を創成するためにも重要な情報をもたらしてくれます。また、物質の反応を刻々捉える動的構造解析や、物質の微小な部分を分析する局所解析など、最先端の研究手法に対応した光源加速器の研究開発を行っています。

MLFの中性子利用ビームラインBL-08に設置された中性子回折装置。粉末にした物質に様々な角度からパルス状の中性子を照射し、通過する中性子線の強さを解析することにより物質中の原子の位置や並びなどを調べることができます。SuperHRPDは世界最高レベルの分解能で原子の位置関係を測定できる装置であり、今後、磁性や誘電性等を併せもつマルチフェロイック物質や強相関電子系物質などに関する、最先端の物質構造科学研究への貢献が期待されています。
MLFには、他にもさまざまな中性子実験装置が設置され、それぞれの特徴を生かして生命科学から材料工学まで幅広い分野の研究が行われています。
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