FAQ(よくある質問)の答え

Q1 KEKは何の略ですか?

A1  KEK は高エネルギー加速器研究機構をローマ字で書いたKou Enerugi kasokuki Kenkyuu kikou の略称です。ケイ・イ・ケイと呼びます。元はローマ字の略ですが、研究者の間では日本語で話をしているときばかりでなく、外国語(英語、韓国語、中国語、フランス語、ドイツ語、ロシア語など様々ですが)で話しているときも KEK (ケイ・イ・ケイ)と呼ばれています。 研究者の間でも正式名称の「高エネルギー加速器研究機構」という名前を知っている人はあまり多くはいませんし、英語の正式名称 High Energy Accelerator Research Organization を知っている人はほとんどいません。しかし、KEKの名は加速器を使って素粒子物理、物質構造の研究をする研究所として、世界中に広く知られ親しまれています。

 

Q2 何のためにKEKは作られたのですか?

A2  高エネルギー加速器研究機構の前身の一つは、昭和30年に誕生した「東京大学原子核研究所」で、原子核物理学の研究を目的とする大学付属研究所。もう一つは昭和46年に、さらに高いエネルギーの加速器を用いた素粒子・原子核の研究を行うために文部省(現文部科学省)の直轄の共同利用研究所として設立された「高エネルギー物理学研究所」です。
これらの研究所は「高エネルギー加速器研究機構」として平成9年に統合され、平成16年には大学共同利用機関法人になりました。こうした過去の実績を生かしてKEKは素粒子や原子核の究極の構造を探求することで基礎物理学の発展に寄与し、あわせて加速器を用いて物質構造や生命から宇宙までを含めた自然科学の各分野の研究を行っています。
なお、「設置・目的等」は
http://www.kek.jp/ja/about/mokuteki.html
「沿革」は 
http://www.kek.jp/ja/about/enkaku.html
も参考にしてください。

 

Q3 大学共同利用機関法人とはなんですか?

A3  全国の大学の研究者のニーズに応えるとともに、広く海外の研究者とも連携を図りながら、学術研究を推進する中核的拠点として、大学共同利用機関が設置されています。これらの機関では国内外の研究者が施設・装置を利用し効果的に先端的な共同研究ができるようにしています。大学共同利用機関法人とは、それぞれの機関を運営する法人格の総称です。

 

Q4 大学共同利用機関法人は、全部でいくつありますか?

A4  「人間文化研究機構」、「自然科学研究機構」、「高エネルギー加速器研究機構」、「情報・システム研究機構」の4機関です。各機関には複数の研究所等があり、それぞれの特色を活かした研究活動を行っています。

 

Q5 大学共同利用機関法人と大学とは何が違うのですか?

A5  大学が単独で建設・運営する事ができないような大型の実験・観測施設を持っています。これらの施設を全国あるいは全世界の研究者が共有することで、効果的に最先端の研究をすることができます。大学と違って、学生はあまりいませんが、総合研究大学院大学の研究科が設置されていたり、大学からの大学院生を受入れる制度を設けていたりする機関もあります。

 

Q6 KEKの敷地の広さはどれくらいですか?

A6  KEKのつくばキャンパスは、筑波研究学園都市の最北部に位置し、東西に1km、南北に1.5kmものびるほぼ長方形の敷地を占めています。面積は、1,531,286平方メートルで、これは東京ドーム約33個分の広さです。この広大な敷地で、1周3kmもある巨大な衝突型加速器(KEKB加速器)をはじめとする加速器や実験装置を用いた実験や研究が行われています。

 

Q7 加速器とはなんですか?

A7  水素の原子核である陽子や、電子などの小さな粒子を光の速度近くまで加速し、高いエネルギーの状態にする装置です。それぞれの粒子を1回だけ加速する直線型の加速器や、円形の軌道を何度も繰り返し回して加速する円型の加速器があります。

 

Q8 KEKにある加速器って大きいのですか?

A8  いちばん大きな加速器はBファクトリー(KEKB加速器)と呼ばれる円形の加速器で、1周が3kmもあります。ゆっくり歩くと1周するのに1時間近くかかる大きさです。このBファクトリーや放射光リングと呼ばれる装置に電子・陽電子を入射している電子・陽電子線形加速器は、全長約600mの直線型の加速器です。 KEK の航空写真を見たことがありますか?(まだの方はぜひKEKツアーを訪れてみてくださいね)これを見るといちばん目立つのがこの二つの加速器なのでどこにあるかすぐにわかります。
でも KEK にあるのはこんな大きな加速器だけではありません。建物の中に入ってしまうような加速器もあります。

 

Q9 外国にもKEKのような研究所がありますか?

A9  世界にはKEKのように加速器そのものの研究や大型加速器を使った研究をしているところがたくさんあります。また、日本国内にもKEK以外に加速器の研究所がたくさんあります。

CERN ヨーロッパ核物理研究機構(スイス・ジュネーブ)
WWWの発明でも有名なこの研究所は、ジュネーブの中心街からバスで約25分、フランスとの国境近くにあります。周長27km、地下100m、フランスとの国境をまたぐ世界最大の加速器(LEP、LHC)で素粒子物理の研究が行われています。また、他の加速器を用いて核物理や素粒子物理の研究も行われています。巨大な加速器は国境をまたいでいるので、実験室を移動するときにパスポートは忘れられません。KEKは、国際協力でLHCのATLAS実験に参加しています。
http://www.cern.ch/
http://atlas.kek.jp/

FNAL フェルミ国立加速器研究所(アメリカ・イリノイ州)
シカゴの郊外に、シカゴ・オヘア空港と同じくらい大きな敷地面積をもつこの研究所では、世界最高エネルギーの陽子加速器テバトロンを使った素粒子物理や天体物理の研究が行われています。最後のクォーク、トップ・クォークを発見したのはここのテバトロンを使った実験グループです。また、所内にはバッファロー牧場やトウモロコシ畑もあります。KEKは、日米協力事業の一環でFNALとの共同研究を進めています。
http://www.fnal.gov/

SLAC スラック国立加速器研究所(アメリカ・カリフォルニア州)
もともとは、花の町サンフランシスコから車で1時間に位置するスタンフォード大学が、「スタンフォード線形加速器センター」として設立した研究所でした。しかし、2008年からは国立研究所としてアメリカ国立エネルギー省(DOE)の所有となっています。この研究所では、長さ3kmの線形加速器を使って素粒子物理の研究が行われています。なかでもB中間子の研究を行うBABAR実験は、KEKのBELLE実験の強力なライバルでした。また、ここにある放射光施設(SSRL)では物質科学、生物学などの研究も行われています。SLACを訪れる研究者は、必ず帰りにサンフランシスコのチャイナタウンに寄り、おいしい中華料理に舌鼓を打つと言われています。KEKは、日米協力事業の一環でSLACとの共同研究を進めています。
http://www.slac.stanford.edu/
http://www.slac.stanford.edu/BFROOT/
http://www-ssrl.slac.stanford.edu/welcome.html

DESY ドイツ電子シンクロトロン研究所(ドイツ・ハンブルク)
ドイツ北部、ハンブルクの住宅地の中にあるこの研究所では、電子・陽子衝突型加速器(HERA)によって素粒子物理の研究が行われていました。KEKは、HERAを使った国際共同実験ZEUSグループの中核として重要な役割を果たしました。また、ここにある放射光施設(HASYLAB)では物質科学、生物学などの研究が行われています。
http://www.desy.de/
http://www-hasylab.desy.de/
http://research.kek.jp/group/zeus/

RAL ラザフォード・アップルトン研究所(イギリス・オックスフォード郊外)
大学の町オックスフォードに近く、羊の牧場に囲まれたこの研究所のISIS〈アイシス〉では、加速器で作られる中性子やミュオンを用いて物理学、化学、物質科学などの研究が行われています。所内の芝生は冬でも青々としていて、リスやウサギが走りまわっています。KEKは、この研究所と共同で中性子散乱装置を開発し研究に利用しています。
http://www.isis.rl.ac.uk/

GSI 重イオン研究所(ドイツ・ダルムシュタット)
この研究所の重イオン加速器では、核物理の研究から生物物理や物質科学の研究や癌の治療まで行われています。
http://www.gsi.de/

ESRF ヨーロッパ放射光施設(フランス・グルノーブル)
リヨンから列車で1時間半、イタリアとの国境沿いの山々が美しく見えるこの研究所では、放射光による物理、化学、物質、生命科学の研究が行われています。また、この研究と同じ敷地内に世界最強度の中性子散乱研究所(ILL)もあり、ヨーロッパの物質研究のメッカになっています。
http://www.esrf.fr/

PSI ポール・シェラー研究所(スイス・チューリッヒ近郊)
ライン川の支流アーレ川沿い、緑に囲まれたこの研究所では、加速器中性子源やミュオン、放射光(SLS)による物質の研究や核物理の研究が行われています。ここの食堂のシェフは数々の賞を受賞したすご腕で、ランチタイムはPSIを訪れる研究者の楽しみのひとつになっています。
http://www.psi.ch/

TRIUMF トライアンフ研究所(カナダ・バンクーバー)
ブリティッシュ・コロンビア大学のキャンパスにあるこの研究所では、核物理の研究やミュオンによる物質構造の研究が行われています。
http://www.triumf.ca/

LANL ロスアラモス国立研究所(アメリカ・ニューメキシコ州)
原子爆弾の開発で知られる研究所ですが、現在では加速器や加速器利用の研究も行われています。所内にあるロスアラモス中性子科学センター(LANSCE)では、加速器中性子源による物質科学、生物学、核物理学などの研究が行われています。ニューメキシコの荒野に作られたロスアラモス研究所は、まれにサソリやガラガラヘビが出るので要注意です。
http://www.lanl.gov/
http://lansce.lanl.gov/

ANL アルゴンヌ国立研究所(アメリカ・イリノイ州)
シカゴ郊外に位置するこの研究所では、放射光源(APS)や加速器中性子源(IPNS)によって物質科学や生物学などの研究が行われています。
http://www.anl.gov/
http://www.aps.anl.gov/
http://www.pns.anl.gov/

BNL ブルックヘブン国立研究所(アメリカ・ニューヨーク州)
ニューヨーク・ロングアイランドの東部にあるこの研究所では、重イオン・コライダー(RHIC)や陽子加速器(AGS)による素粒子物理、核物理の研究や放射光源(NSLS)による物質科学、生物学などの研究が行われています。マンハッタンまで車で90分ほどの所ですが、広い所内は緑につつまれ、野生の鹿や七面鳥もたくさんいます。KEKは、日米協力事業の一環でBNLとの共同研究を進めています。
http://www.bnl.gov/
http://www.nsls.bnl.gov/

IHEP 中国科学院高能物理研究所(中国・北京)
高エネルギーは中国語で高能。北京にあるこの研究所では、電子陽電子衝突型加速器(BEPC)により素粒子物理の研究や放射光施設(BSRF)による物質科学の研究が行われています。また、高能研では自由電子レーザーや加速器の研究もさかんです。
http://www.ihep.ac.cn/

PAL ポハン加速器研究所(韓国・ポハン)
韓国南東部の工業都市ポハン(浦項)、広大な緑と美しい建物群が調和をなすポハン工科大学(POSTECH)のキャンパス内に構えるポハン加速器研究所では、放射光源PLSを使って物質科学などの研究が行われています。
http://pal.postech.ac.kr/

JAEA 日本原子力研究開発機構
量子ビーム応用研究部門において加速器を用いた量子ビームによる産業応用の研究が行われています。
http://www.jaea.go.jp/

SPring-8 高輝度光科学研究センター(兵庫県・佐用郡)
世界最高性能の放射光を発生することが出きるSPring-8では、物質科学、地球科学、医学、生命科学の研究が行われています。
http://www.spring8.or.jp/ja/

RCNP 大阪大学核物理研究センター(大阪府・茨木市)
大阪大学の吹田キャンパスにあるこの施設では、サイクロトロン加速器により物質の基本構造の解明に向けた核物理の研究が行われています。
http://www.rcnp.osaka-u.ac.jp/

RIKEN 理化学研究所(埼玉県・和光市)
80年以上の歴史を持つ自然科学の総合研究所、理化学研究所ではいろいろな分野の研究が行われています。なかでも加速器を用いたRIビームファクトリー計画では、核物理から生物、医学の分野にまでわたる研究が期待されています。
http://www.riken.go.jp/index_j.html
http://www.rarf.riken.go.jp/

NIRS 放射線医学総合研究所
新しいがん治療の研究を行う重粒子線がん治療装置(HIMAC)による共同利用研究をしています。
http://www.nirs.go.jp/index.html

他にも多くの研究所や研究施設で加速器や加速器を利用した研究が行われていますので、興味のある人はKEKのウェッブ・ページをたどって探してみてください。

 

Q10 KEKの研究は何の役に立ちますか?

A10  KEKでは、加速器を使って物質の構造や機能に関する研究をしています。ここでは半導体や磁性体などの電子材料、電池、触媒、蛋白質など、ありとあらゆるものが研究の対象で、より優れた性質を持つ材料の開発に役立っています。KEKの実験装置の一部は民間企業にも有料で公開されていますので、企業の研究者もKEKの加速器を使った開発研究を行っています。
また、KEKの加速器は医学にも役立っています。以前KEKには陽子線医学利用研究センター(設立当初は粒子線医科学センター)という筑波大学の分室があり、KEKの陽子加速器を用いて悪性腫瘍などの治療およびその基礎研究が行なわれていました。この施設によって、陽子ビームが治療に役立つことが証明され、2000年に同じ名前の大学の専用加速器施設へと発展しています。また、1996年からはPF-AR放射光のX線を用いて、狭心症や心筋梗塞などの病気の検査が行なわれています。
一方、ニュートリノの質量やB粒子による粒子と反粒子の違い、また万物に質量 を与えていると考えられているヒッグズ粒子の研究など、直ぐには役に立たないけれど、科学の発展に大きく寄与する興味深い研究も行われています。これらの研究成果 は、人間が自然を理解する基礎的な知識になると思います。こうした研究がやがては皆さんの理科の教科書の内容まで変えるかもしれませんよ。
個々の研究や応用については、これからトピックスで順次紹介していきます。ぜひ見てください。

 

Q11 KEKの一般公開はありますか?

A11  はい、KEKでは毎年、一般公開を行っています。昭和52年からこれまで初秋の一日に一般公開を30回以上行ってきました。2009年は9月6日(日)に開催しました。公開日は、広く皆さんに研究の現場を見ていただき、今KEKでどんな研究活動が行われているか、科学に親しみを持ってお帰りいただくよう努めています。おもしろい企画がたくさんあり、中でも「おもしろ物理教室」「科学おもちゃ」などのコーナーは子供たちの人気がいつも高いですね。さらに「Bファクトリー加速器」や「Bファクトリー筑波実験棟」では、実物の加速器(KEKB加速器)があるトンネル内部や、地下の巨大な素粒子検出器(BELLE測定器)を見学していただくことができます。また、世界最先端の研究を進めている研究者の講演をじかに聴いたりすることもできます。この日のためにKEKの職員は一所懸命準備をしています。敷地が広いので、すべての展示を一日で見るのはとても大変ですが、ぜひお越しいただいて、加速器科学の最先端の様子をご覧ください。
これまでの一般公開の様子が想像できるwebページを紹介しておきます:
http://openhouse.kek.jp/index.html

 

Q12 KEKを見学するとおもしろいですか?

A12  「たいへんおもしろかった」 これまで見学された多くの方の意見です。「ピカピカの大きな実験装置がたくさんあり、次から次へと見あきない」とおっしゃる方もいます。なかにはKEKを学生の時に見学した際「わぁ、鉄腕アトムの世界みたいだ」と言ってしまった思い出を持って、KEKの研究者になった人もいます。 特に、一般公開日には、KEKのほぼすべての施設を見学することができます。広い敷地内の見学に便利な無料循環バスが回り、各所に説明員が付きます。この時には、皆さんが実際に体験したり実験したり、工作することが出来るコナーも用意され、講演などもあり、一日を楽しく過ごしていただけます。

 

Q13 KEKを見学するにはどうすればよいですか?

A13  常設展示ホール「KEKコミュニケーションプラザ」を午前9時半〜午後4時半まで見学できます。研究施設は、春の科学技術週間と秋の一般公開の機会に見学することができます。また、それ以外で施設の見学を希望の場合は、平日の午前9時〜午後12時、午後1時〜午後5時で、団体10名以上から受け付けています。(詳しくはこちら。)

<連絡先>
高エネルギー加速器研究機構 広報室 
電話 : 029-879-6047 
住所 : 〒305-0801 茨城県つくば市大穂1-1 

KEKの「交通案内」のページはこちら 
http://www.kek.jp/ja/access/

 

Q14 KEKには危ないものがありませんか?

A14  もちろん、ゼロではありません。KEKで「危ないもの」というと、放射線を発生する装置や放射性物質がまず思い浮かぶでしょう。でも、間違った取り扱いをすると、放射線よりはるかに危険なものがたくさんあります。たとえば高電圧や高磁場を発生する装置、液体窒素や液体ヘリウムなどの寒剤、水素やメタンなどの引火性物質、化学薬品、クレーンなどが実験で使われています。でも、放射線と同様これらの危険なものはきちんと管理され法律やKEKのルールに従って安全に使用されています。

 

Q15 KEK の人々は何時まで仕事をしていますか?

A15  職員の正式な勤務時間は朝8時半から夕方5時15分までです。
でも、加速器が動いているあいだは、平日も週末も24時間連続で実験を続けているので、装置の調子などを見守るために、8時間ごとの3交代制(シフト)で、職員や大学からやってきた共同研究者の皆さんが日夜、働いています。研究者は、実験装置の監視の当番にあたっている時間帯以外は、それぞれ自分の研究テーマに打ち込んでいます。夜遅く、KEKの敷地を歩くと、あちこちの部屋から明かりが漏れてきて、皆さんが熱心に研究に打ちこんでいる姿を見ることができます。その意味では大学の先生方の生活風景とちょっと似たところがあるのかもしれませんね。

 

Q16 KEKでは何人ぐらいの人が働いているのですか?

A16  平成21年4月1日現在のKEKのスタッフは非常勤も含め全体で876人です。そのうち役員が7人(機構長1、理事4、監事2(うち1人は非常勤))、常勤職員が713人(教員354、技術職員152、事務系施設系職員146、その他61)、非常勤職員等156人です。
またKEKでは、スタッフのほかに国内外の大学や研究機関等から多くの研究者たちが集まり、共同利用実験や調査・研究等を進めています。その数は、平成20年度の集計で実人員約7,400人、延べで約80,000人にものぼります。このうち外国からの来訪者は約2割で、国数で見ると世界50数カ国もの参加があります。

 

Q17 KEKには何人ぐらい外国人がいますか?

A17  KEKには、外国から多くの研究者が共同利用実験や調査・研究等のためにやってきます。
平成20年度では延べで約21,000(21054)人もの研究者が、世界約50数カ国からKEKに集まり、研究活動を行いました。

 

Q18 KEKに来ている外国人の子供はどうしていますか?

A18  KEKには海外からたくさんの研究者が訪れます。その中には家族で日本にやってきて、数年間もKEKで行われている研究に打ち込む人が何人もいます。そういった研究者のお子さんは、だいたい地元の幼稚園や小学校に通っています。

 

Q19 KEKには女性の科学者もいますか?

A19  KEKの研究者のうち女性の研究者は平成20年度では約4%です。まだまだ少ないですが、最近は増える傾向にあります。女性の大学院生もだんだん多くなってきています。数は少ないですが、女性の研究者も男性の研究者と一緒に精力的に研究をしていますよ。
KEKのホームページをきっかけに若い女性の皆さんがどんどん科学の世界に飛び込んでくれると嬉しいですね。

 

Q20 KEKにはノーベル賞をもらった人がいますか?

A20  2008年のノーベル物理学賞は、シカゴ大学名誉教授の南部陽一郎先生、高エネルギー加速器研究機構名誉教授教授の小林誠先生、京都産業大学理学部教授で京都大学名誉教授の益川敏英先生の三氏に贈られました。おめでとうございます!

3人の先生はいずれも素粒子物理学の発展に多大な貢献をなされた先駆者で、KEKで行われる研究とも密接に関係がありますが、その中でも特に小林誠先生は1979年から2006年まで素粒子理論物理学の研究者としてKEKに在籍され、現在はKEKの特別栄誉教授として研究を続けておられます。

小林先生と益川先生は、クォークが3種類しか発見されていなかった1973年に、物質を構成する基本粒子クォークが6種類あれば、「CP(シーピー)対称性の破れ」が自然に説明できるという先駆的な理論を提唱しました。これは今では「小林・益川理論」と呼ばれ、素粒子物理学の標準理論の重要な柱のひとつとなっています。

また、KEKの研究者ではありませんが、2002年のノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊先生は、平成元年10月から平成7年10月にかけて、高エネルギー物理学研究所(当時)の評議員を勤めていただくなど、研究面や管理運営などの面で多岐に渡るご活躍をなされました。小柴先生が建築にご尽力された水チェレンコフ検出器カミオカンデは、超新星からのニュートリノを世界で初めて検出することに成功し、ニュートリノ天文学という新しい学問分野を築かれました。KEKもまた、国内外の多くの大学と共同で「K2K」と呼ばれるつくば−神岡間長基線ニュートリノ振動実験を2005年まで行い、ニュートリノの振動現象の確証を得ました。K2Kは今後J-PARCに移行し、T2K実験が始まります。

2000年のノーベル化学賞を受賞した白川英樹先生は、KEKミュオン施設や放射光研究施設と共同で有機導電性ポリマーの研究をされていました。1997年のノーベル物理学賞を受賞したスティーブ・チュー博士は、半年間KEKに滞在しミュオン施設と共同でミュオニウムの研究を行いました。また1988年ノーベル化学賞を受賞したハートムート・ミヘル博士を利用したタンパク質の構造に関する研究を行なっていました。さらに、リボソームの構造機能解析で2009年のノーベル化学賞を受賞されたアダ・ヨナット教授もKEK放射光研究施設で、まさにリボゾーム結晶の作成と解析を行っておられました。

このほかKEKの関係者としては、1965年にノーベル物理学賞を受賞した朝永振一郎先生や1973年ノーベル物理学賞受賞の江崎玲於奈先生も、KEKの評議員をなさっていました。

 

Q21 KEKの研究はおもしろいですか?

A21  『たいへんおもしろい』  ここの研究者の誰しもがそう言います。どこがおもしろいのかが気になりますが、これはある研究者の返事です。『世界中の人がまだ知らないことを知ることができる、まだ誰も作ったことがないものを作ったり、世界初の記録を作ったりすることができるのですから、ワクワク・ドキドキの連続です』
このホームページを通じて、このおもしろさを多くの人々にお伝えすることが出来たらと思っています。
もちろんおもしろいことばかりではありません。つらく、しんどいこともあります。何がしんどいかは人それぞれだと思いますが、研究者の多くは『徹夜の実験と論文書きです』と言います。徹夜がつらいのはともかく、研究がおもしろいと言いながら「論文を書くのがしんどい」のは変だと思われるかも知れませんね。でも『論文を書くのがしんどい』と感じる研究者は結構多いのです。研究会などで研究成果を口頭で発表するのは得意でも、論文を書くのがしんどい人は珍しくありません。これは論文という末永く残る形で自分の結論を「言い切る」事が非常に難しいことを示しています。

 

Q22 KEKでは白衣を着て研究しているのですか?

A22  研究者というと白衣を着ているイメージがあるかも知れませんね。でもKEKでは白衣を着ている研究者は実はあまりいません。研究者が白衣を着るのは、薬品や細菌などから身を守り、自分の身体や衣服についている不純物を薬品や試料に混入させないためです(中にはただ「白衣を着ると気持ちがひきしまる」から着る人も多いみたいですけどね)。
KEKでは、薬品や細菌を扱うよりも、大きな装置を使うことが多いので、白衣よりももっと動きやすい「作業服」を着ている人が多くいます。白衣の長い裾は、作業をするにはちょっと邪魔になるんですね。それから、大型の装置を運んだり、設置したりするときには、特に頭や足に怪我をしないようにヘルメットや安全靴を着用しています。皆さんの研究者イメージとちょっと違いましたか?
また、実際にデータを集めたり分析したりするときはコンピュータが相手ですので、「普段着のまま」研究をしている人もたくさんいます。

 

Q23  KEKで働くためにはどうすればいいですか?

A23  KEKは大学共同利用機関法人として、国内や海外の大学の研究者と共同で大型の実験施設やコンピュータなどを用いた研究活動を推進しています。

KEKで勤務もしくは研究を行うには大きくわけて4つの形態があります。

1) 大学や民間企業の研究者になって、KEKの施設を利用した研究を進める。
2) KEKの研究者となって研究を進める。
3) KEKの技術者となって研究・実験装置の開発を進める。
4) KEKの事務職員となって研究者や技術者と共同で研究の実務面を支える。

それぞれの形態に応じて必要とされる技能、資格などは異なります。1)と2)については大学院の博士課程を終了して博士号を取得するか、同等の学力が必要です。海外の研究者とも研究上の議論ができるような語学力が求められます。

3)と4)については、「求人情報」のページ
http://www.kek.jp/ja/jobs/
で随時公募しておりますので、条件等についてご確認ください。

 

Q24 KEKの年間予算はどれくらいですか?

A24  年間予算は、平成20年度では約380億円。内訳は人件費が約2割、運営費等が約8割です。

 

Q25 KEKでは電気をどのくらい使っていますか?

A25  加速器などの実験装置を運転するために大量の電気を必要とします。
平成20年度に使用した電気の量は、約365,700メガワット時です。
これは一般の家庭で使う年間の電気量の約10万戸にも相当します。
電力料金の高い夏場は運転を取りやめ、経費節減にも努めています。

 

Q26 KEKでは水をどのくらい使っていますか?

A26  KEKでは、生活用水のほかに加速器などの発熱を抑える冷却水として大量の水を必要とします。平成20年度に使用した上水道の量は、約210,000立方メートルです。
これは、東京ドームの約6分の1杯分に相当します。

 

Q27 KEKで働く人や近所の人には放射線による危険はないのですか?

A27  加速器は高いエネルギーの粒子を作るための装置です。このような高いエネルギーの粒子のことも放射線と言われます。これらの放射線が外部に漏れることのないように、加速器は地下に作られたり、コンクリートや鉄などで遮蔽されています。停電などがあると、加速器は停止します。

また、加速器の運転中に遮蔽区画の内部に誤って人が入ろうとすると、加速器が自動的に停止するように安全ロックがかかっています。これらの区画の出入り口はテレビカメラによって監視されています。敷地境界では24時間にわたって放射線量の監視を行っていますが、施設から出る放射線は自然界に存在する放射線量に比べて100分の1以下です。

KEKにおける放射線の管理取り扱いに関するもっと詳しい説明についてはこちらを参考にしてください。
 http://www.kek.jp/ja/faq/radiation.htm

なお、放射線に関する一般的な知識はこちらを参考にしてください。

「暮らしの中の放射線」
 http://rcwww.kek.jp/kurasi/index.html

KEKには臨界に達するような大量の放射性物質はありません。